当方がこれまでに手がけた調査・分析支援の中から、代表的な5件の事例を以下にご紹介します。
いずれも、クライアントの課題解決や意思決定支援に向けて、背景整理から調査設計、分析、示唆抽出まで一貫して対応した案件です。
各事例では「背景と課題」「アプローチ」「成果と活用」の観点から整理していますので、当方が提供できる支援内容や対応可能な領域のイメージを具体的に掴んでいただけます。
実績例(1):ファストファッションECサイト利用実態・意識調査
背景と課題
モール型ECサイトのプロモーション方針を検討するにあたり、既存ユーザー層の特徴や購買行動、EC利用時に重視するポイントを定量的に把握する必要があった。既存顧客と潜在層・新規層との違いを整理し、施策設計の基礎データとすることが目的だった。
アプローチ
- 対象と設計方針:半年以内に当該ブランドの店舗およびECサイトを利用したユーザーを中心に、「既存ユーザー層」「既存ポテンシャル層」「新規チャレンジ層」「対象外」の4群に分類して比較分析を実施。
- 調査方法:オンラインアンケートを実施し、居住地を「都市部」「都市周辺」「地方部」に分類して地域特性との関係も分析。
- 調査項目:ブランドイメージ、ECサイト利用時の利便性認識、SNS上での接触状況と印象変化、服選びで重視する要素などを設問化。
- 補足分析:回答者属性と利用傾向のクロス集計を行い、各層の違いを多角的に整理。
成果と活用
ユーザー層ごとの属性構成や購買行動の特徴、SNS接触が印象形成に与える影響などを明らかにし、既存ユーザー維持と潜在層への訴求方針を検討するための基礎資料として活用された。層別比較により、訴求内容やチャネル選定の方向性を具体的に検討するための示唆を提供した。
実績例(2):リユースショップ出店計画に向けたエリア市場調査・消費者意識調査
背景と課題
全国展開している大手リユースショップが、某駅周辺への新規出店を検討していた。出店判断の基礎となるエリア特性と、来訪者層の購買意識・行動特性を短期間で把握する必要があった。
アプローチ
- 対象と設計方針:当該駅周辺を週1回以上訪れる20歳以上の男女を対象とし、リユース商品への興味や購買意識、利用経験などを調査。
- 調査方法:オンラインアンケートを実施。スクリーニング調査で対象者を絞り込み、5段階評価・複数回答・自由記述などを組み合わせて設問設計。
- 調査項目:リユース商品の利用経験と印象、購買意欲、買い物行動、リユースショップへの期待などを中心に設問化。
- 補足調査:人口動態や所得分布、競合店舗の立地・取扱商品・価格帯などをデスクトップリサーチにより整理し、エリア市場性を多角的に把握。
成果と活用
エリア来訪者の属性別意識や購買行動傾向、リユースショップ利用経験や印象の違いを可視化し、出店候補地の市場性評価やターゲット像の明確化に貢献した。調査結果は、出店戦略の検討資料やブランド施策の方向性検討に活用された。
実績例(3):インナービューティー食品市場におけるプロモーション施策動向調査
背景と課題
機能性食品・サプリメント市場の競争が激化する中、自社製品のマーケティング戦略を検討するためには、主要プレイヤーの施策傾向や打ち手の特徴を把握する必要があった。特に、オンライン・オフライン双方の手法やそれらの反応の違いを整理し、今後のプロモーション設計の基礎情報とすることが目的だった。
アプローチ
- 対象製品:
主要メーカー5社のインナービューティ食品5種(サプリメント機能を持つグミなど) - 調査期間:2022年1月〜2025年3月
- 調査内容:
・各製品のSNS(X・Instagram)上でのインフルエンサー施策の実施状況
・プレスリリース、TVCM、展示会・試食会イベント、PR記事など各種プロモーション施策の整理
・施策実施時期と検索ボリューム推移の相対的変化の把握
・主要プレイヤーごとの戦略的特徴・アプローチ傾向の比較と全体考察の整理
成果と活用
過去3年間の主要プレイヤーによる施策の網羅的な整理と、各施策のタイミングと反応の関係性を可視化したことで、今後のプロモーション設計・実行に向けた基礎資料として活用された。とくに、オンライン・オフライン施策の使い分けや、ブランドごとの施策強化ポイントの違いを把握することで、自社戦略立案時の参考情報としての有効性が高い調査となった。
実績例(4):移住促進施策に向けた事前調査設計・意識調査
背景と課題
自治体が実施を予定している移住促進施策の効果を検証するためには、施策実施前後の意識変化を定量的に把握する仕組みづくりが必要とされていた。特に、移住意向や地域へのイメージ、不安要素といった項目を事前に把握し、事後調査との比較が可能な指標設計が求められていた。
アプローチ
- 調査対象:首都圏(1都3県)在住の20〜40代社会人
- 調査設計:事前・事後比較を前提とした調査構成を設計
- 主な調査項目:
- 移住・転居に対する関心度と意向
- 富山県に対するイメージや不安点
- 就業・生活条件に対する評価
成果と活用
移住促進施策の実施前時点におけるターゲット層の移住意向や不安点、地域イメージを明確化することで、今後の施策設計および効果検証のための基礎データとして活用された。特に、事前・事後比較を見据えた調査設計が、施策の成果測定と改善サイクル構築の出発点となった。
実績例(5):金属部品再生加工事業の可能性検討支援
背景と課題
製造業企業が新規事業として検討していた金属部品の再生加工ビジネスについて、既存の設備・技術で対応可能な領域を明確化し、事業化の実現可能性を評価する必要があった。特に、市場構造や競合状況、参入障壁といった外部要因と、自社の保有リソースとの整合性を踏まえた検討が求められていた。
アプローチ
- 対象市場の構造、競合状況、技術要求水準などを整理し、再生加工ビジネスの成立条件を分析
- 自社の保有設備・技術との適合性を検証し、対応可能な領域を特定
- 有望分野の仮説を立案し、それぞれの実現に向けた課題を整理
- 仮説段階で想定した業種・用途について、実際に該当領域で事業を行う有識者へインタビューを実施し、技術要件や事業成立性を現場視点で検証
成果と活用
既存設備との適合性や市場参入の難易度を踏まえた複数の事業シナリオを提示し、新規事業検討の方向性整理に活用された。机上調査に加えて現場ヒアリングを行ったことで、初期段階での実現性判断や今後の追加検討ポイントの明確化に寄与した。
その他の実績(抜粋)
- コワーキングスペース向け複合機導入に向けた機能要件・環境分析調査
- 九州地区の特定路線における踏切位置の現地調査による屋外無線構築支援
- 欧米製造業におけるUWB導入事例の動向調査
- AIとコーチングを組み合わせたソフトウェアの市場性調査
- 北陸地方の3PL(物流企業)に関する事業規模・強み分析
- 各メーカー複合機におけるOCR精度の比較調査(現物調査)
- 独立系ソフトベンダー製複合機課金管理ソフトの性能比較調査(現物調査)
- 競合企業ポートフォリオの作成と現状分析・戦略予測レポート
- 国内外競合のドキュメントスキャナー製品の性能比較調査(現物調査)
- 個人経営クリニックの採用支援に向けた求人状況調査
- 中小企業向け商品企画のためのユーザー聞き取り調査
- 自動車販売店ブランドイメージ向上に向けた認知度・印象調査